経営発達支援事業に基づきまして、稲武地区における事業継承にかかる実態把握および需要動向調査をおこないました。また、豊田市の需要動向調査もご覧いただけます。経営の参考にしてただければと思います。
事業継承にかかる実態把握調査
事業者の業種と規模
業種数
- 稲武町商工会加盟企業の内、回答を得られた79 社であった。その内で事業数は多事業展開をしている企業では事業数を全てカウントしたため業者数の母数は85 とした。
- 稲武町管内では小売業が最も多く25%となっており、宿泊・飲食サービスが24%と続いている。製造業も自動車部品製造の2 社を含んで15%となっており、理容業8 業者を含むその他サービス業が14%、建設業は13%、他業種は1~2%に留まっている。
事業者の規模
- 雇用状態は、役員・家族従業員が1 人の32%、2~5 人が65%と5 人以下の企業が9 割を超えている。
- 家族以外の従業員が0 の企業が41%を占め、家族経営企業が多くなっている。
- 家族以外の従業員が1~5 人以下の企業は29%、家族以外の従業員6 名以上30%となっており、中でも50 人以上の企業は6%であった。
事業継続年数
- ヒヤリング数79 事業者の内、回答を得られた69 事業者ついて集計を行った。その内42%にあたる29 社が法人化されていた。
- 創業5 年以下の事業者は5%、10 年未満の企業を併せても8%と若い事業者は少ない。
- 40 年代の事業者が6%であるのを除けば、10 年代~60 年代のセクターで全てが15%前後を占めている。
また、70 年以上操業を続けている老舗と言える事業者は20%を占める。
法人継続年数
- 法人化後10 年未満の企業は2 社のみで、20 年代に31%法人化のピークを迎えているが、その他のセクターは10%前後を占めている。
- 法人化後70 年以上の企業も6%と古くからの法人が操業を続けている地域である。
知的財産権の保有状況
- 特許権を保有する事業者:2 社、 実用新案を保有する事業者:0 社、意匠登録を行っている事業者:1 社
- 上記の通り知的財産権により他社との競争力を有する企業は2%に留まっている。これは製造業の比率が少ないためであるが、
製造業13 に対して15%に値している。
経営動向
業績
- 売上が1000 万円未満の事業者は41%と大半を占めるが、1000 万円~3000 万円未満が20%程度、3000 万~5000 万円未満、5000 万~1 億円未満、1 億~3 億円未満、3 億円以上のそれぞれのセクター共に約10 社(1 割前後)もあり、特に1 億円以上の売上を上げている事業者が16 社(21%)もある。
- しかしながら、売上傾向、経常利益共に増加傾向及び横ばいと答える事業者は4 割程度で、6 割の事業者が減少傾向と答えており、今後の見通しが厳しいと回答した事業者は75%にも上り、一部の好調な事業者を除いて多くの事業者は厳しい経営環境下にあると言える。
現在抱えている問題点(稲武地区の経営者が現在不安に思っている事)
- 設備の老朽化、継続・維持が難しい
- 得意先の減少、仕入先の体力不足と品不足
- タバコ自動販売機にはダスポの期限がある。期限満了時に事業をやめる
- ネット販売ができるようにしたい
- あと10 年、体が保つかねえ‼(体力が心配)
- 人員不足、特に若手の製造現場
- 周辺地域の人口減少による売上減。増加する観光客へは、品揃え不足と駐車場確保に難。
- 常連客の高齢化(カラオケ客の増加)。観光客の取り込みを目指す
- 後継者がいないのでいつまで続けられるか心配
- 利用者が高齢化よる売上減。道具などは、近隣都市へ出かけた時に買い物を済ませてしまう。
- 町内人口の減少。近隣都市部へ買物に出かける。
- 技術者の育成
- コストを抑えて利益を上げたい
- 後継者が決まっていないので、高齢化により業務効率の低下の不安がある
- 職員の高齢化と新規雇用者の減少
情報の入手先
- 顧客や取引先と言った日々の業務での繋がりを情報収集手段としている事業者が半数程度に上る。
- 税理士・会計士や金融機関、商工会などは、財務や資金調達だけでなく、現在利益率が高いビジネスであったり、「利益率が高い優良企業などが今何に興味を持っているか」など、旬な情報に接する機会が多いソースとして有効活用をすべきである。
- 家族、知人や同業者、インナーネットなど積極的な情報収取が行われている。
- しかし、5%に留まっている従業員からの情報は、スタッフの業務に対するモチベーション向上に繋がるよう増加していくことが好ましい。
現在抱えている問題点(稲武地区の経営者が現在不安に思っている事)
- 設備の老朽化、継続・維持が難しい
- 得意先の減少、仕入先の体力不足と品不足
- タバコ自動販売機にはダスポの期限がある。期限満了時に事業をやめる
- ネット販売ができるようにしたい
- あと10 年、体が保つかねえ‼(体力が心配)
- 人員不足、特に若手の製造現場
- 周辺地域の人口減少による売上減。増加する観光客へは、品揃え不足と駐車場確保に難。
- 常連客の高齢化(カラオケ客の増加)。観光客の取り込みを目指す
- 後継者がいないのでいつまで続けられるか心配
- 利用者が高齢化よる売上減。道具などは、近隣都市へ出かけた時に買い物を済ませてしまう。
- 町内人口の減少。近隣都市部へ買物に出かける。
- 技術者の育成
- コストを抑えて利益を上げたい
- 後継者が決まっていないので、高齢化により業務効率の低下の不安がある
- 職員の高齢化と新規雇用者の減少
支援策の利用状況
- 79 事業者の内、約3 割の事業者が支援策を利用している。
- 利用したことがないと回答した事業者は65%であった。
利用したことがない理由
- 施策を必要としないと回答した事業者が約4 割に上る。
- 次に施策がある事をしらなかった事業者は2 割程度と商工会会員事業者への告知はしっかりとされていることが分かる。
- 利用条件が合わない事や利用したい施策がないなど、一度検討を行っている事業者が1 割を超えており、事業者支援を進める土壌が出来ていた。
- 一方課題は施策のメリットが分からない7%の事業者や、相談先や手続きなどの仕方がわからないと回答をした事業者と、策を必要としないと回答された事業者と併せると45%に上る。
- 「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」(日本アプライドリサーチ研究所)によると小規模事業者において「経営計画を作成したことがある」事業者は全体の53%に留まり、個人事業者に関しては56%が「経営計画を作成したことがない」ことがわかっている。
- 「経営計画」を作成することで、今まで必要としていなかった施策の内で有効に利用できるものを見つけることができるようになる。